ホウ素含有クーラントをデブリの機械的取り出し時に使用

デブリ機械的に取り出す際、粉塵の舞い上がりを押さえるためと思うが、散水するとのことである。この水には、連鎖反応を引き起こす熱中性子(thermal neutron:減速して運動エネルギーが小さくなった中性子)を吸収するためのホウ素が含まれることになろう。

デブリへのホウ素含有冷却水の供給を停止した場合、崩壊熱によって水分が蒸発し、ホウ素含有物がデブリ全体を覆うのではないかと想像する。ホウ素の融点は2300℃であるが、ホウ酸の融点約185℃、酸化ホウ素の融点約577℃(理化学辞典等による)とのことで、放置しておくとホウ素含有物による被覆が流れ出してしまい、デブリが熱中性子と作用してしまう危険が生まれる。そこで、デブリ表面が高温にならないうちに液体窒素を入れて表面温度の上昇を押さえることを提案する。

また、デブリ機械的に取り出す際、ホウ素含有物被覆の無いデブリ面が生ずるが、デブリとの機械的接触部に供給するクーラントにもホウ素を入れるようにすれば、連鎖反応防止に有効であると思われる。