デブリ回収の段取りとして

デブリに電極を付けて電解還元や電流の向きを変えてアノード溶解を行うというのは、デブリ中のウランをできるだけ選択的に溶かし水溶液として回収しようというものであるが、デブリだまりがあると思われている格納容器底部の耐酸性が十分ならばこのような面倒なテクニックを駆使しなくても、硝酸で溶かしてしまえば簡単なことである(当然、臨界防止のためのホウ素存在下で。)。

報道によれば、格納容器のあちらこちらに穴が開いていて冠水方式が採れないとのこと。もし格納容器底部にも穴ができていたら、冷却水循環系統からデブリに接した水が常時漏れ出て、各所に散らばり管理できていないことになる。

気中工法実施中も冷却水を供給し続けることになろうが、振動によって穴が大きくなるかもしれないから、格納容器の底部分を含む下部全体をカバーする冷却水受けを事前に設置してもらいたい。気中工法で回収しきれなかったデブリは、硝酸で溶かすということがあるかもしれないから、冷却水受けの材質は対硝酸性であることが望ましい。