窒素ガスを流す二重管の構造について

内管と外管の間に窒素ガスを流すのは、外管に亀裂や孔が生じていないかどうかを調べるための気密検査であるが、密閉しての圧力変化調査では、配線を延ばしていったことに対する応答が遅いように思われるし、また、容積や温度の影響が大きいので小さな異常も見落とさないようにするためには適さないと思われる。従って、窒素ガス流量を監視する方法が適していよう。

因みに、1モルの気体で、理想気体なら  PV=RT

            実在気体では  PV=zRT

( P:圧力、 V:容積、 T:絶対温度[°K]、 R:気体定数、z:圧縮係数 )

なお、窒素ガスが配線の先端まで行って戻ってくるようにするためには、内管と外管の間に隔壁を設けて往路と復路に分ける必要がある。しかし、上述のように気密状況の監視のためなので、往路と復路を完全に区切る必要はなく、ガス流のガイドとなるような隔壁で十分である。たとえば、らせん板を内管の外側、あるいは外管の内側に設けてガス流のガイドにすることが考えられる。